どん底からのぼれろ

【PC-8801】夢幻戦士ヴァリスを立ち上げる!の巻

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日本テレネットから1986年に発売された、PC-8801版「夢幻戦士ヴァリス」を紹介するぜ!

ヴァリスといえば、主人公の女子高生がセーラー服姿やビキニアーマー姿で魔物と戦うギャルゲーのパイオニア的作品の1つである。開発当時に流行っていた「スケバン刑事」から着想を得たらしく、最終的に同じ頃に流行っていた「ドリームハンター麗夢」「幻夢戦記レダ」などで見られたビキニアーマーも取り入れられたようだ。

着想自体は良かったかもしれないが、スプライト機能もスクロール機能もないPC88で全方向スクロール・アクションを作ることは無謀だった。バランスが崩壊しており、ゲームの出来は決して良いものではない。個人的にはクソゲー判定に近い評価だ。

一方でグラフィックのレベルは高く、当時テレネットでキャラデザを担当していた林浩樹氏の原画を忠実に再現したビジュアルシーンはよく出来ており評判だったようだ。また、小川史生氏作曲のBGMも良曲揃いで、エンディング曲「MISS BLUEに微笑みを」はシリーズを通してファンの間で最も人気が高い、らしい。

主人公・麻生優子はメーカーの狙い通り人気キャラとなり、多くのファンを獲得することに成功した。結果、PCエンジンメガドライブスーパーファミコンなど家庭用ハードで続編を展開させることになり、テレネットの代表作となった。1作目となる本作は、ファミコンPCエンジンメガドライブにリメイク移植されている。今から遊ぶなら、それらのほうが楽しめるだろう。

 

■パッケージ
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主要登場人物たちや敵キャラのデザインからは、当時のアニメの影響を感じ取ることが出来る。「驚異のニュー・ビッグ・アクション」という謎の英語表現も時代を感じ取ることが出来る!笑。ライバルキャラである麗子の人気も高かった。

 

■説明書・ディスク
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5インチ2D×2枚。中古購入品の為、説明書に謎のシミなどがある。醤油かな?よだれ?

 

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ウルフチーム「ファイナルゾーン」「アークス」のキャラデザで知られる林浩樹氏の原画が一部掲載されている。本作もアークスも、2作目以降デザイナーが変わったが、オリジナルの林浩樹氏が最もしっくりくる。ゲームの世界に感情移入するうえで、こういった細かな設定などを知ることは重要であり、資料が掲載されているのはユーザーとして大変ありがたいと言えるだろう。



■起動
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それではPC88FE実機でヴァリスを起動させてみよう。本作は、テイルズシリーズを作ったことで知られるウルフチームが製作している。ウルフはこの時点では、日本テレネット内の制作チームの1つだった。

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マウスコネクタにメガドライブ用6Bコントローラーパッドを差し込むと使用できたので、MDパッドでプレイ。しかしレスポンスが非常に悪い。これはMDパッドが悪いのではなく、単純にゲーム自体の処理が重い為である。88という機種で無茶なことをしている証拠だ。

ライフ制(正確にはダメージを食らうとレベルゲージが減り、レベル1でゲージが0になるとゲームオーバー)とはいえ、ダメージを受けても無敵時間がなく、敵に触れるとあっという間に体力を削り取られてしまう。メガCD「アーネストエバンス」に似ている。さすが両作ともウルフ製だけあるぜ。

ダメージをくらった際のノックバックも大きく、かなり後方に吹き飛ばされる。88の性能上仕方がないが、非常にもっさりしており操作性も悪く、自分がどこにいて何をしているかも分かりづらい。楽しいよりストレスを感じることのほうが多い。

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何が何だか分からないうちに気付いたら死亡。テクノソフトに触発されたのかもしれないが、88で全方向スクロールアクションはちょっと無理がある。全体的にもっさりしている癖に敵の攻撃が激しすぎる。バランスが非常に悪い。

本作から3年後に発売された「ワンダラーズ・フロム・イース」は、技術が進化していたとはいえ、88であれだけ綺麗な多重スクロールを実現して、なおかつアクションゲームとしてもきちんと成立させていたのだから偉大な作品だった。

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タイトル画面でF5キーを押すとBGMモード。当時はとても画期的なシステムだった。

 

 

・・・・・・🙄

 

 

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続編「ヴァリスII」も紹介しよう。前作の発売から3年、あの優子が帰ってきた。ウルフチームも林浩樹氏も既にテレネットから独立しており、本作以降はテレネットの製作となる。デザイナーも変わり、優子の顔も大きく変わってしまった。ビキニアーマーというよりも、もはやアマゾネスの衣装みたいだ・・・。

今作はPC版に先駆けて、PCエンジンCD-ROM2版が先行リリースとなった。以降、ヴァリスシリーズはメインプラットホームをPCエンジンに移すことになる。PC88版、X68K版、PCエンジン版ではそれぞれ制作チームが違うらしく、内容やビジュアルに若干の違いがあるらしい。私は88版しか知らない為、差異について不明である。唯一知っていることは、PC88/68K版にある優子の着せ替えモードがPCエンジン版にはない、くらいか。

ゲームの出来は、アクションパートについては88版は今作も今一つ、というか酷い。アクションに強いハードである、X68KPCエンジンについては不明。ヴァリスシリーズ最大の売り(つか唯一の売りか笑)であるビジュアルシーンは、さらなるパワーアップを遂げている。PCエンジン版、X68K版はフルボイスとなっている、らしい。PC88版はサウンドボードIIに対応しており、SB2搭載機は島本須美の声で優子が喋るようだが、当方FEでSB2未搭載の為、声を聴くことは出来ない。



■パッケージ裏
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ゲーム内容推しではなく、メーカー自らコスチューム推しというところが日本テレネットというメーカーらしいぜ。

 

■ディスク
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ディスクとハードケース。ディスクは7枚組で、1枚ごとにに1ステージのデータが入っている。最後のディスクGはサウンドボードII用のデータが入っており、私は使ったことがない。

 

 

■ゲーム起動
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「ヴァリアたちを助けて欲しい」と麗子が訴えてくる。そして突如現れる魔物たちに襲われる。そんな不思議な夢を毎晩のように見ていた優子は、ある晩、胸騒ぎを覚えて夜の街に飛び出す、というストーリーでゲームがスタート。キャラデザイン担当が変わって優子も麗子も完全に別人になってしまった。コレジャナイ感が半端ない。

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胸騒ぎがするからパジャマ姿で刃物を持って外に出てみました。って不審者じゃねえか!

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本作もATARI仕様のMDパッドでプレイ。前作と比べると操作性などは随分マシになった。優子の動きも軽くなり、レスポンスも向上している。88なのでコンシューマーのACGと比べると酷い出来だが、それほどストレスなく遊べるように進化している。

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でたー!PC版だけに搭載された、優子のコスチューム着せ替えモード。単なるソッチの趣味の人向けモードという訳ではなく、コスチュームによってステータスに変化がある。いっそ「あぶない水着」も用意しとけばよかったのにな!笑

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夜の街で剣を振り回す女子高生、これは事案だ。

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ステージ1後半で毎度お馴染みビキニアーマーを蒸着できるぞ!

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私の腕ではステージ2が限界。というより、先に進みたいという意欲が湧かない内容だった。操作していても楽しいという感覚が無いし、陰湿なトラップや敵の激しすぎる攻撃でストレスばかりが溜まる。PC88でアクションは無理があるが、それ以前にキャラを動かしているユーザーを楽しませるという製作側の意思を感じない。操作しているだけで楽しいスーパーマリオソニックは偉大である。

前作から3年が経過しているだけにゲーム性は確かに向上しているが、アクションゲームとしては間違いなく中の下クラスの出来だ。後にPCエンジンメガドライブで発売された「ヴァリスIII」以降は随分と改善されたと思う。

1作目や2作目は基本的にビジュアルシーンを楽しむゲームであり、アクション部分はおまけと考えたほうが良い。PC88版の感想であり、PCエンジン版はアクション部分がもっと良く出来ているのかもしれないが・・・なんにしても88版はきついっす。



 

おまけ

 

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徳間書店/徳間コミュニケーションズから1987年に発売された、ファミコン版「夢幻戦士ヴァリス」のチラシ。

 

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チラシを見る限り、結構力を入れて宣伝されていたようだ。とはいえ当時の小学生たちは皆、高橋名人しか見ていなかった(私もそうだった)。任天堂(マリオ)、高橋名人以外は話題にすらならなかった記憶がある。ドラクエですらマリオと高橋名人の人気の前では存在が霞んでいた。ヴァリスは存在すら全く知らなかった。

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オリジナルとは全く違うアニメ調のデザインになっとる。一刻館の管理人さんっぽく見えるぞ。でもヴァリスIIのような悪い意味で別人化よりは、こちらのほうがまだ違和感が無くて良い。

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チラシの裏面。AVGNもブチ切れるほど超クソゲーとして有名な「ゴーストバスターズ」も徳間だったのか。4タイトルどれも遊んだことが一度もない。遊ばなくてラッキーだったのかもな笑。

 

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こちらはヴァリス2の音楽集発売を知らせるチラシ。CDとカセットテープで発売と言うところが時代を感じさせる。

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あれからXX年、まさか優子がエロゲになって帰ってくるとは誰も思っていなかった😱

 

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ヴァリスCLUBというビデオマガジンがあったのか。ゲーメストビデオくらいしか知らん・・・他社のゲームソフトなども紹介しているのか、ほうほう。「めいず君」はテレネットの作品だな、所有しているからいつか紹介したいですな。以上です。